孔版画、をご存知ですか?インクが通るところと通らないところがあり、上からスキージ(ゴムのへら)でインクを落として刷る印刷です。私たちの会社でつくっているシルクスクリーン版もこの技法です。それをもっと手軽に行えるのが「ガリ版(謄写版)」。学校の印刷物などでなじみのあった印刷技法です。

今回は、自身の水彩画と、謄写版でその絵を版画にした、助田茂蔵さんの「野の花のうた」展をみにいってきました。
助田さんとはご縁があり、今回も会場に茂蔵さんの息子さんがいらっしゃいました。
弊社とのご縁はときどき我らが「はまじい専務」がブログにかいているので、こちらをどうぞ。
▼助田シルクスクリーン工房
▼別れの準備-4
展示されている中に、1年間毎日花を描き続けた水彩画がありました。それが一本の巻物になっています。
助田さんのお話では、先に巻物をつくってしまったそうです。そこへ毎日描く。真剣に対峙している姿が伝わってくるのがわかります。野の花の名前が時々かきなおされているのが、ちょっと愛らしい。
はまじい専務のブログにも詳しいですが、水彩画の陰影を十数版という版で重ねて表現しています。
落款すら1版ではありません。濃い、薄い、の2版です。
弊社でつくった書家の吉川壽一先生のTシャツの中でも、「書」を黒1色ではなく、「グレー」と「黒」の2版をつかって墨と書のタッチを表現したものがあります。フルカラープリントの表現力はすごく、インクジェットプリントでなんら問題を感じない昨今ですが、この1色1版の超アナログな重ね塗りの世界に、あいかわらず愛着を感じる自分がいます。インクジェットではこの表現力、深みは出せないよね、でも、正直いいところまできてしまうんだよな、インクジェットならではの表現もあるし...一般的には技法がなんであろうと、たいした問題ではないのかも。そのジレンマを感じること、多々ありです。
でも、作品を目の前にしたら、その違いを人間は感じるものだと思うのです。手が入った厚み、エネルギーの厚み。そういうものを、私は受け取っていたい。
この違い、ちゃんと伝えていないのは私たちかも。そんなことをよく考えるようになりました。
展覧会の1日「多色刷りガリ版実演会」がありました。私は行けなかったのですが、はまじい専務が撮影してきたそう。近くブログにアップすると思うので、またご案内します。
▼福井市橘曙覧記念文学館にて
弊社からお散歩コースでもいける、愛宕坂の途中にあります。